日産自動車は28日、クリスチャン・ムニエ米州統括責任者による2030年までの北米戦略におけるハイブリッド車(HV)強化計画を発表した。この一環として、初の米国市場向けHV「ローグ」が今秋から販売され、その後すぐにSUV「キックス」のHVモデルも米国とカナダで投入される予定だ。さらに、SUVやピックアップトラックの次世代モデルを含む多種多様なHV展開が計画されており、米国内でのHV生産も視野に入れている。
日産の北米事業は現在、自動車販売全体の約55%をガソリンエンジン搭載のSUV「ローグ」「パスファインダー」およびピックアップトラック「フロンティア」で占めている。これらは全て現地生産されており、同社の戦略的な要所として位置付けられている。
しかし、米国におけるガソリン価格の高騰を背景にHVへの需要が増加する中で、日産は独自の「eパワー」技術を搭載した最新システムの展開を加速。トヨタやホンダといったHV市場で先行する競合への追従に向けて、積極的な取り組みを進める構えだ。
「ローグ」HVは当初、九州工場から米国へ輸出されるが、ムニエ氏は米国内での現地生産体制の整備を示唆。28年にはテネシー州にあるスマーナ工場での生産も視野に入れていると述べた。また、米国内生産が始まっても、カナダ市場向けなど九州工場からのローグHVの輸出は維持される予定だ。
ムニエ氏は「ローグ」HVについて、「トヨタの主力HVであるRAV4と競合する存在」として話題を集めており、商品力に自信を示した。さらに、ミシシッピ州キャントン工場では来年中にセダン「アルティマ」の生産終了が予定され、新型車の立ち上げも計画されている。具体的な車種は明らかでないものの、耐久性に優れたフレーム構造を採用したモデルが大型SUVやピックアップトラック市場に適していると見られている。
今後日産は、同じフレーム構造で「エクステラ」を含む5車種の次世代モデル開発を予定。これによりHVも設定される見込みだ。
今回の戦略は、30年までに米国内での現地生産比率を65%から80%へと引き上げることを目指している。この計画により関税リスクが低減され、収益力向上も見込まれており、日産の北米市場での競争力強化への重要な一歩と位置付けられている。(池田昇)
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