ソロデビュー50周年を迎えたシンガーソングライター、矢野顕子は東京・渋谷にあるNHK放送センターで、世界最高峰の演奏家として知られるウィル・リー(ベース)とクリス・パーカー(ドラム)と共に特別な音楽セッションを行いました。このイベントは、NHKの「tiny desk concerts JAPAN」の一環で、世界各国へ向けて放送されるプログラムです。昔ながらのしょう油味ラーメンが人気メニューとして知られるNHKの1階食堂を舞台に、矢野顕子は名曲「ラーメンたべたい」など5つの優美な楽曲を披露しました。
1976年7月にリトル・フィートと共演したアルバム「JAPANESE GIRL」でソロデビューした矢野顕子。その後、ウィル・リーとの初共演も同年冬に実現しました。今回のパフォーマンスはNHK放送センターの一角で行われ、彼女が「3人の絆は変わっていない」と語るように、矢野顕子がピアノとキーボードを繊細かつ力強く奏で、ウィル・リーとクリス・パーカーの阿吽の呼吸で寄り添う演奏が展開されました。
このセッションでは、今年7月に発表した50周年記念アルバム「生きものたちへ」から3曲を連続で披露。軽やかなテンポの「海男と瑠璃亜」で始まり、宇宙飛行士野口聡一氏とその家族にインスパイアされたバラード「YOU ARE SPECIAL TO ME」、そしてNHK「みんなのうた」用に書き下ろした「THE RIVER」を次々に歌い上げました。
さらに、忌野清志郎とのデュエットで知られる「ひとつだけ」を熱唱。最後は親しみやすく愛されている楽曲「ラーメンたべたい」で締め括りました。ウィル・リーとクリス・パーカーの生み出すグルーブに乗って気持ちよさそうに歌う姿は、観る者を魅了しました。セッション終了後、番組スタッフはNHK職員に対して「お仕事に戻っていただき、お時間がある方は1食でラーメンを楽しんでください」と呼びかけました。
収録後のインタビューでは、矢野顕子はウィル・リーとクリス・パーカーについて「どんな挑戦的な演奏をしようとも、彼らがキャッチしてくれる。たまに大きなミスで点差が開こうとも、勝敗に関わらず一緒にいるから安心して演奏できる」と称賛しました。「優秀な共演者との組み合わせは自動的に成功を約束するものではなく、人間性がつながりの大きな要素になっている」と分析しています。
セッション中には「JAPANESE GIRL」のレコードも展示されました。50周年を迎えた心境を問われ、矢野顕子は「気が付けば60歳、70代となりましたが、本質的に変わっていないことに驚きます」と語りました。彼女は「中身が変わらない限り、新たな音楽を作り続ける気持ちは変わりません。年齢や状況に応じて進化し続けます。来年は51周年ですので、引き続きよろしくお願いします」と力強く述べました。
11月18日から大阪・西梅田のサンケイホールブリーゼを皮切りに、「生きものたちへ」に参加した小原礼、林立夫、佐橋佳幸、Aisaらと共に恒例の「さとがえるコンサート」を各地で開催する予定です。矢野顕子の音楽活動はこれからも世界中で支持されていくことでしょう。(宇野貴文)
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