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5年間の集中的取り組みで完成した植物化石図鑑が注目を集める

5年間の集中的取り組みで完成した植物化石図鑑が注目を集める

「中生代植物研究会」は平成24年に発足し、そのメンバー8人が5年間の歳月をかけて編纂した図鑑が高い評価を受けています。このプロジェクトは、「地方博物館の資料を生かした中生代植物化石図鑑の制作」というタイトルで、平成2年に大阪・鶴見緑地で開催された国際花と緑の博覧会(通称:花博)の財団から150万円の助成金を受け取ることに成功しました。この資金は、最初の1年間で運搬費用にほぼ全額が消えていきました。

その後も続く制作プロセスは、1200部を刊行するためにさらなる資金調達を余儀なくされ、175万円の費用がかかりました。この差額は、メンバー自身が補填した形となっています。

研究会は、標本の整理や選定、写真撮影から原稿作成に至るまでの責任を分担して行いました。メンバーは東京、群馬、長野など日本全国に散らばっており、年に数回集まって編集作業を進めていきましたが、その間にもさまざまな課題や困難がありました。特にメンバー同士の意見の食い違いが時折対立を生むこともあり、作業が滞ることも少なくありませんでした。

しかし、「中生代植物研究会」はそのような困難を乗り越え、「日本産ジュラ紀の植物化石図鑑―来馬(くるま)型植物群―」と題した作品を平成29年9月に刊行しました。この図鑑は、実物大の写真や線画が掲載されており、日本語で記述された点でも特筆すべきものです。これまでの植物化石に関する図鑑は絵と解説だけが中心でしたが、実物大の写真やデータ図を用いたことにより、ユーザーは見つけた化石を直接比較することが可能となりました。

このプロジェクトでは、木村達明先生の以前の論文で使用された線画も取り入れられ、視覚的に化石を識別する手助けとなっています。さらにA4判サイズを採用したことで、実物大の化石と比較する際に便利です。

完成品は「次世代のため」という思いから全国の小中高校や博物館、植物園、大学などへ寄贈されました。残りの500部は定価2000円で販売され、現在完売となっていますが、ネットオークションでは一部1万円以上で取引されていることからもその人気ぶりがうかがえます。

この図鑑は多くのメディアに取り上げられ、NHKのラジオ番組でも特集されました。その影響力は広範であり、植物化石研究という専門分野に光を当てた功績として高く評価されています。(聞き手 喜多由浩)

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