茨城県は、人口減少および高齢化が急速に進む県北地域の活性化を目指し、新たな観光振興策を推進している。今秋から始まるこの取り組みは、若年層や訪日外国人客(インバウンド)の誘致に特化した内容となっており、大井川和彦知事が「一丁目一番地」と位置づけるこのプロジェクトは、交流人口の増加を通じて長期的な地域振興につなげることを目標としている。
具体的には、10月24日に大子町で開催されるコスプレイベント「acosta!」がその一環として位置付けられている。このイベントは、大手企業ハコスタ社との連携により実施され、参加者はアニメなどのキャラクター姿で地域特有の昔ながらの町並みや自然をバックに撮影することができる。都市部ではあまり見かけない、里山を始めとした独特のロケーションは大井川知事が「若者に県北地域の素朴な魅力を伝えるツール」として評価する要素だ。また、JR水郡線の水戸―常陸大子間で運行される貸し切り列車にはコスプレ姿で乗車可能なサービスも提供されている。
加えて、10月にはかなさ笑楽校(常陸太田市)が「常陸国忍者学校」として開設される。この施設では、手裏剣打ちや水蜘蛛といった約10種類の技術を含む「忍術修行」が体験できる。特に外国人客や家族連れなどに利用され、地域の新しい観光資源として期待が寄せられている。
県北地域(日立市、常陸太田市、高萩市、北茨城市、常陸大宮市、大子町)は人口減少と高齢化が顕著な問題を抱えている。令和7年の国勢調査速報集計によれば、この地域の人口は31万5481人であり、前回2年間の調査と比較して9.2%減少したことが示された。これは県全体の減少率(2.6%)を大きく上回るペースである。さらに、同地域の高齢化率も7年時点で37.9%となり、県全体の31.0%を大幅に超えている。
こうした背景から、県の担当者はこれらの取り組みが交流人口増加へつながり、最終的には地域移住にも寄与することを期待している。この挑戦的なプロジェクトが今後どのような影響を及ぼすか、注目が集まり続けている。(飯田耕司)
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