社会

「銭湯の日」記念イベントで家族向け体験プログラムを提供、大阪の銭湯組合がコロナ禍でも文化継承へ挑む

「銭湯の日」記念イベントで家族向け体験プログラムを提供、大阪の銭湯組合がコロナ禍でも文化継承へ挑む

2026年に迫る「千年に1度のお風呂の年」を記念し、大阪市住吉区の「朝日温泉」などが中心となって実行委員会が結成された。この委員会は10月10日に開催される「銭湯の日」を契機に、同区民センターで「すみよし銭湯パーク」と題したイベントを企画し、無料入場で親子向けプログラムを提供する。この取り組みは、コロナ禍においても銭湯の持つ社会的重要性と文化的価値を後世へ伝える意義があると捉えられていることから生まれたものだ。

日本全国における銭湯数は、昭和43年に1万7999軒をピークに減少傾向が続き、現在は1493軒(2023年4月1日時点)まで落ち込んでいる。このような背景の中、朝日温泉の3代目・田丸正高さん(44歳)は平成30年から「こども銭湯」として子供たちに無料入浴を提供し、これまでに168回開催されて延べ2685人の子供たちが参加している。

新型コロナウイルス禍では、銭湯は単なるリラクゼーション施設以上の存在であることを強く意識させられた。田丸さんは「外出自粛が求められている中、多くのお客様や自治体から『営業を続けてください』との声が寄せられました。これにより、銭湯が公衆衛生の観点から見ても不可欠な社会インフラであることを再認識しました」と述べた。

このような使命感を背景に今回のイベントが企画され、風呂おけを使った「おけカーリング」やアヒルの人形すくい、銭湯ののれんで作られた迷路など、様々な体験コーナーが設置される。また、風呂グッズを用いたダンスショーも予定されており、小学生には近隣の銭湯で利用可能な入浴券が贈られる。

イベントでは、銭湯愛好家である漫画家・ラッキー植松さんや旅先で銭湯を訪ねる「旅先銭湯」の著者・松本康治さん、電気風呂に詳しいけんちんさんといった専門家が展示を行う。彼らはそれぞれの知識や体験を共有し、「多角的な視点から銭湯の魅力を感じてもらえる機会としたい」と意気込む。

また、イベント資金の一部は30日までにクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」を通じて募集され、田丸夫妻が考案したユニークな返礼品として「背中流し」体験などが用意されている。この取り組みによって、地域コミュニティの支援を得つつ、銭湯文化の継承と発展を目指していく。

北村博子記者

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