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農業とクリケットの融合、宮内選手が競技普及に挑戦

農業とクリケットの融合、宮内選手が競技普及に挑戦

日本は2028年ロサンゼルス五輪で、128年ぶりにクリケットを正式競技として復活させる。この動きに合わせて国内でのクリケット競技が広まっており、愛知・名古屋アジア大会の日本代表チームの宮内渉選手(27)は農作業と練習を両立させながら競技普及に貢献している。宮内選手自身、クリケットが国内で広まるきっかけになればとの思いから「二足のわらじ」を履く日々を送っている。

アジア大会では、格上の対戦相手であるアフガニスタンとの試合で8-129と敗れたものの、守備面では飛球をダイビングキャッチするなど見せ場を作り、「自分の強みを出せてよかった。次は絶対に勝ちたい」と意気込む宮内選手だ。

英国発祥のクリケットは野球の原型とされ、11人制で行われる競技である。大阪府出身の宮内選手は高校進学を機に、これまで続けてきた野球とは異なる競技を探していた時期があり、クリケット部への入部を決めた。俊足かつ広範囲の守備力、また広角に打ち分ける打撃スタイルで評価され、日本代表に選出されている。

大学卒業後、栃木県佐野市で営業職を経験しながら競技続行を図ったものの、「両立が難しい」と感じて退職。その後、群馬県みどり市にある地域おこし協力隊で活動していた元日本代表の先輩・小越健さん(31)と出会う。小越さんから「協力隊員は競技と両立しやすい」と助言を受け、同市に移り住み、農業の未経験ながらも協力隊員として新たなキャリアをスタートさせた。

約3年間の任期を終えた今年2月、小越さんらが設立した飲食関連会社に就職。引き続き農作業を行う中で、昼間は市内の畑でレストラン向けの野菜や果物などを栽培し、夕方から佐野市の専用球場に約50分かけて通い、仲間たちと練習する日々を送る。

小越さんは「宮内選手が作った野菜は大きくて美味しいと評判だ」と語り、「彼の仕事も競技も一生懸命取り組む姿を見てきた。アジア大会で力を発揮して頑張ってほしい」と応援する。

世界的には3億人とされるクリケットの競技人口の中、インドを含む一部国ではプロリーグが存在している。しかし、日本クリケット協会によると国内の競技人口は約7000人(2025年現在)である。今大会の日本代表メンバー30名中、学生以外は銀行員や教職員など仕事と掛け持ちしながら競技を続けている。

宮内選手の次の目標はワールドカップ出場。「日本にプロチームが誕生し、競技に集中できる環境が整えばうれしい」と願っており、「今大会を力強く戦い、好成績で次のステップへと進むための足掛かりにしたい」と意気込む。

一方、栃木県佐野市は「クリケットのまち佐野」を標榜し、地域活性化への取り組みが進んでいる。2010年に東京都内から移転した日本クリケット協会の本部設置がきっかけとなり、さらに2018年には国際規格に準拠した天然芝グラウンドの「市国際クリケット場」を整備。これまで海外チームの強化試合などが行われている。

地域活性化とクリケット普及の一環として、市では英国のクラブチーム選手による体験授業を小中学生向けに行うなど積極的な取り組みを展開。担当者は「アジア大会がきっかけとなって、クリケットや佐野市をより多くの人々に知ってもらえることを願う」と期待している。

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