夏休み期間中、全国各地で開催された「Girls Meet STEM」は、女子中高生を対象にしたSTEM(科学、技術、工学、数学)分野のツアー型体験プログラムです。このイベントは、山田進太郎D&I財団が主催し、7月18日から8月31日にかけて全国189カ所で実施されました。東京都内を中心に応募が殺到した一方、地方では定員割れする事態も発生しました。
首都圏とは対照的に、特に京都府や滋賀県などの地方でイベントへの関心が低かった理由を財団は情報不足にあると分析しています。そのため同財団は、全国の自治体と連携を深め、情報発信の幅を広げていく方針です。
例えば、東京都内で実施された大和証券におけるイベントでは、25人の中高生が参加しました。彼女らは金融経済教育をテーマにしたカードゲームを通じて資産運用の基本を学び、「バブル崩壊」などのシナリオで実際に資産が変動する場面を体験しました。これらのゲームは、参加者たちを熱中させると同時に楽しみながら学ぶ機会を提供しました。
後半では、大きな株価ボードのあるフロアや統計・プログラミングを駆使する現場を見学。女性社員と交流することで、理系分野へ進む動機や仕事における価値観を知ることができました。イベントに参加した東京都の高校3年生・前川紗良さんは、「性別に関係なく自主的に働くことができそうだと感じた」と述べています。
一方、滋賀県草津市のパナソニックの拠点では、調理家電開発現場を見学する16人の参加者がいました。グループごとに異なる料理を作り、仮説立てから炊飯器の動作原理まで実際に触れ合うことで、技術開発の難しさを体験しました。兵庫県から参加した高校3年生・由良咲帆さんは、「テーマが身近に感じられ、理系の仕事の将来像が描きやすくなった」とイベントを評価しました。
全国で開催されたこのプログラムですが、地方では応募数が定員に満たず、情報不足の問題が浮き彫りとなっています。財団は地方自治体と連携し、情報の行き渡らせる取り組みを強化していくことを決意しています。
また、三菱総合研究所が実施した「生活者市場予測システム(mif)2026年度ティーンズ+ベーシック調査」によれば、東京都では約33%の女性が性別に囚われない働き方を望む一方で、他県では「あまりそうしたくない」と答える人も40%に達することから、地域によって性別役割意識の差が存在している可能性を示唆します。宮崎県はこの問題解決の一環として、同財団と連携協定を結び、「Girls Meet STEM」を5社で開催しました。
県女性活躍推進室主査の河野博俊氏は「性別に関わらず、多様な業種に興味を持ってもらうため今後も取り組みを続けていく」と述べています。このように、地域間のギャップ解消と女子中高生の理系進路選択支援が急務であることが明らかになりました。(長谷川あかり)
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