2023年の愛知・名古屋で開催されたアジア競技大会(読売新聞社協賛)が、20日にトライアスロン競技を皮切りに盛大な幕を上げました。この競技で北條巧選手(NTT東日本・NTT西日本)は見事52分56秒のタイムで初優勝し、日本勢として5大会連続となる金メダルを手に入れました。一方、安松青葉選手(三井住友海上)は54分11秒で8位、女子では愛知県出身の林愛望選手(日本福祉大/NTT東日本・NTT西日本)が58分36秒で銅メダルを獲得しました。平泉真心選手(トランスコスモス)は59分1秒で5位に入りました。
今大会の最初のメダルマッチとなることが決まった瞬間から、北條選手は心に強く「人生で一番勝負をかける」と誓っていました。彼の目標は金メダルを獲得し、国内ではまだ多く知られていないトライアスロン競技に注目を集め、さらにロサンゼルス五輪への出場機会をつかむことでした。この日を迎えるまで絶好調だった彼はその決意を遂行しました。
競技では、最初の750メートルのスイムから先頭集団に加わり、続く20キロのバイクレースでもそのペースを維持。そして、勝負の分かれ目となる5キロランで彼は仕掛けました。序盤からアグレッシブに飛ばし先頭に立つと、中盤以降はさらにペースを上げて2位の中国選手を引き離しました。最後は勝利の雄叫びを上げながらフィニッシュラインを駆け抜け、栄光の瞬間を迎えました。
注目すべきは彼の赤い髪色です。北條選手によれば、「アジア大会をイメージして青から変えた」とその意味があります。パリ五輪出場を逃した後、コーチを付けて練習方法や体の数値について見直しました。大会直前の10日間は、幼い息子の風邪をうつさないよう自宅と別の場所で寝泊まりする徹底ぶりだったと言います。
30歳にして東京とパリの五輪代表争いに敗れ、失意に打ちひしがれていましたが、自国開催のアジア大会に向けて再び情熱を注ぎました。彼は「今回勝ち切れたことでロサンゼルスで成功できるイメージが持て、日本選手団にも勢いをつけられた」と述べ、鮮やかな第1号の金メダル獲得を喜んでいます。この勝利は北條選手だけでなく日本トライアスロン界全体に大きなインパクトを与えることとなりました。(福井浩介)
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