経済

長野でもコシヒカリの概算金大幅減、農家は苦渋の決断を迫られるも消費者にとっては朗報

長野でもコシヒカリの概算金大幅減、農家は苦渋の決断を迫られるも消費者にとっては朗報

JA全農長野が2026年産米の概算金設定で、主力品種「コシヒカリ」を1等・60キロ当たり16730円に決定した。前年度の最高記録であった28240円から、4割以上減少することとなった。この金額は農家への仮払いとしての役割を果たし、作付け面積が8割近くを占めるコシヒカリについては、前年度から11510円も減少することになった。同様の動きで、「あきたこまち」も15950円、「風さやか」も15830円へと大幅減額された。

この背景には、米価の乱高下が存在する。昨年「令和のコメ騒動」と称されるような急激な値上がりを経験したものの、今年に入ってから在庫過多となり、各地で「米余り」現象が続いている。この影響は新潟や北海道といった大産地でも同様で、概算金の大幅減少が見られている。

JA全農長野の会合後、池田吉隆米穀課長は「現時点で見込める最大限。苦渋の決断だ」と述べた。このような状況において、農家間では今後を危惧する声が広がっている。木島平村在住で毎年約125トンのコシヒカリや「にじのきらめき」などを収穫し、そのうち40%程度をJAへ出荷する57歳の男性農家は、昨年初めて売上総額が1億円を超えたものの、今年に入ってから概算金の減少や肥料・燃料費の上昇(いずれも1~3割)などで売り上げは7000万円程度に落ち込むと見ており、「去年上がりすぎたので仕方ないが、生産コストが上昇する中で売り上げが下がるのは痛い」と嘆く。

一般消費者にとっては、概算金の減少が卸売業者との取引価格に反映され、結果的に店頭での米価が下落することを意味している。実際、農林水産省の発表では7月7日から13日までの1週間の全国スーパー平均販売価格(5キロ当たり)が前週比32円安い2971円となり、約2年ぶりに3000円を下回る値下がりが続いている。

この市場の動きは消費者にも好影響を及ぼしており、長野市在住で中学生2人と夫の4人家族である42歳女性主婦は、「やっと新米が手頃な価格で買えそう。子どもにもたくさん食べさせてあげられる」と喜んだ。また、長野県A・コープを運営する同社は、29日から県産米5キロを約3000円で販売開始し、担当者は「消費者が手を出しやすい価格になったと思う」とコメントした。

このように、概算金の減少は農家にとって大きな痛手である一方で、消費者市場では歓迎されており、今後も市場の動向が注目される。

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