中部電力は25日、静岡県御前崎市にある浜岡原子力発電所(3号機と4号機)の再稼働審査申請を原子力規制委員会に取り下げたことを公表しました。この決定は、同発電所で廃炉作業中だった1号機と2号機の工事報告書における不適切な費用請求問題が深刻化したことを背景に行われました。今年8月時点で既に明らかにされていた件数から、新たに4件の書き換えが発覚し、合計18件に増加しました。
これにより、2014年から始まった浜岡原発の再稼働審査は頓挫し、その見通しは一層不透明なものとなりました。このような信頼性の問題に直面した場合の申請継続の是非について中部電力は、「再稼働へ向けた審査が進む中で、重大な疑義が生じる状況では適切ではない」とする声明を発表しました。この申請取り下げは、不祥事によるものとして初めてのケースです。
浜岡原発では、中部電力が2014年に4号機、翌2015年に3号機の再稼働審査を申請していました。しかし、今年1月に耐震設計の基準地震動データが不正に操作されていたことが発覚し、問題は深刻化しました。外部弁護士から成る調査委員会の報告を受け、再稼働申請に関する資料の信頼性が大きく揺らぎ、14日の臨時取締役会で申請取り下げが決定されました。
また、中部電力は25日、2017年度分における1号機と2号機の廃炉作業に関連する不適切な費用請求問題で新たな事実が明らかになったことを報告しました。計24件だった報告書の誤記が実際の工事状況と合致しないものが18件まで増え、その影響が明らかになりました。この問題に対して、中部電力は「使用済み燃料再処理・廃炉推進機構」(青森市)への不正受け取った費用の確定作業を開始する方針です。この書き換えは原子力部門の6人の担当者によって行われていました。
名古屋市で記者会見を行った中部電力の大塚温久・原子力部長は、不適切な費用請求が発生した背景について、「計画と実績を一致させる必要がある」という認識が担当者の間で強くあったことが原因だと説明しました。このような発想は、自分たちに制約を与えてしまうものであり、「自己縛り」的な思考が働いていたと述べました。
今回の一連の問題は、中部電力が原子力発電所における業務運営の透明性を強化し、再稼働への道筋を正しく歩むための重要な検証となります。今後も中部電力は厳しい監視と改善を通じて、信頼回復に努める必要があります。この問題が原子力業界全体に与える影響や再発防止策についても慎重な検討が求められています。
返信を残す