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歴史と美意識が交差する「姫君の婚礼調度」展、彦根城博物館で開幕

歴史と美意識が交差する「姫君の婚礼調度」展、彦根城博物館で開幕

日本の大名家においては、格式や美意識を追求した婚礼調度が重要な役割を果たしてきました。この文化的背景と伝統を紐解くテーマ展「姫君の婚礼調度」が、滋賀県彦根市にある彦根城博物館で開幕しました。この展示会では、井伊家に伝わる貴重な調度約20点が公開されており、来場者は大名家の威信と美意識を感じ取れます。

今回のテーマ展示では、井伊直弼の正室・昌子の婚礼調度に用いられた駕籠(かご)やその他の品々が並びます。これらは、13代目大老を務めた直弼の家庭で使われており、彼女が丹波亀山藩松平家6代信豪(のぶひで)の娘であることからも、その重要性がうかがえます。また、高松藩最後の藩主・頼聡に嫁いだ直弼の次女・弥千代や、有栖川宮幟仁親王の三女で14代目大老井伊直憲(なおのり)に嫁いだ宜子も含まれています。

展示された中でも特筆すべきは、昌子の婚礼調度として用いられた「黒漆塗八丁字紋駕籠」です。内側の天井や壁面には四季折々の花鳥が描かれ、唐破風を配した荘重な構造は見る者を圧倒します。一方で弥千代の「黒漆塗松竹梅葵橘(あおいたちばな)紋茶弁当」は、野点として利用される茶道具セットであり、屋台に湯を沸かす風炉や釜が収められています。これもまた、直弼の娘である彼女が茶人でもあったことを物語っています。

さらに、宜子の化粧道具一式は「叢梨子地花菱唐草菊三(むらなしじはなびしからくさきくみ)ッ横菊紋化粧道具」として展示され、金蒔絵で彩られた家紋が各具体に施されています。眉作筆や三櫛(みつぐし)、丸鏡などの一点一点に注目することで、当時の女性の身だしなみ文化を深く理解することができます。

学芸員の奥田晶子氏は、「これら華麗な婚礼調度をじっくり味わっていただければ」と来場者に期待を寄せています。展示会は10月19日まで開催され、無休で観覧することが可能です。一般の入場料は700円となります。詳細や問い合わせについては彦根城博物館(TEL 0749-22-6100)までお願いします。

このテーマ展示を通じて、見る者は大名家の格式と美意識がどのようにして維持され、またその背景にあった文化的・社会的重要性を再認識することでしょう。

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