公正取引委員会は2月28日、設計コンサルタントと修繕工事会社が大規模なマンション修繕工事で談合を行ったことを認定しました。この不正行為は関東地方の1都6県における171件のマンションに及び、計42社が独占禁止法違反(不当な取引制限)を犯したとされています。この歴史的判断は、住民に対する費用の透明性を保証しようという公取委の意図に基づいています。
今回の行政処分では、設計コンサルタント会社2社と修繕工事会社40社が対象となりました。このうち38社には再発防止を求める排除措置命令が下され、さらに修繕工事を受注した企業に対して1億6380万円の課徴金納付が命じられました。これは住民が不当な費用負担から保護されるための措置であり、マンション大規模修繕工事に関する談合に対して行政処分を科すのは初となります。
問題の背景にあるのは、住民が設計コンサルタント会社を信頼して業者選定に当たらせていたことです。しかし、これらの会社が修繕工事会社と癒着し、工事費用をつり上げることで住民側の負担が増す結果になっていました。公取委はこのような構図を明らかにするため、対象となったマンションの工事情報をホームページで公開し、住民が確認できる状況を整えました。
具体的に排除措置命令を受けたのは、設計コンサルタント会社として「翔設計」(東京)と「リノシス・コーポレーション」(大阪)、修繕工事会社として「長谷工リフォーム」「シミズ・ビルライフケア」(いずれも東京)、「伊勝」「富士防」(いずれも神奈川)など36社の計38社です。すでに解散したり、他企業と合併されたりしている3社と、課徴金減免制度(リーニエンシー)を利用し不正を申告したYKKAPラクシー(千葉)は処分対象から除外されました。
公取委によると、各社は2021年秋頃から2025年3月にかけて、マンション管理組合が発注する大規模修繕工事であらかじめ相談し、受注会社を決定していたとされます。設計コンサルタントは関係企業と協議の上、受注業者を選出し「設計予算」を示すなど談合に加わっていない業者の見積もり価格を伝えることで不正を助長していたとされています。今回の発覚は、住民への透明性向上という観点から非常に重要な意味を持ち、公取委が厳格な対応を続けることで市場競争が正当化されていくことが期待されます。
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