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米国の強硬な交渉手法:日本に対する「時差攻撃」はトランプ政権だけではない

米国の強硬な交渉手法:日本に対する「時差攻撃」はトランプ政権だけではない

米国の外交および貿易交渉における強硬姿勢は、トランプ大統領の下でも顕著であったが、これは彼の政権だけに特有なものではない。歴史を振り返れば、米国は長らくその手法において狡知と強さを兼ね備えた「難しい友人」であったことが明白だ。1980年代の日米貿易摩擦は、この特性を如実に示している一例であり、当時外務省からワシントンに派遣された山本忠通氏(後に国連事務総長特別代表)がその経験を明かす。

山本氏の証言によれば、米側からの交渉開始時刻は日本時間で早朝5時という異常な時間帯に設定された。これは徹夜状態での対応を強いるものであり、山本氏は「確信犯的な『悪さ』を平然と行う米国の姿勢」に憤りを抱いた。最終的に日本側からの交渉団長への働きかけが功を奏し、午前9時への変更となったものの、このエピソードは米国の戦略性を如実に示している。

また、米国の手強さは伝統的な大西洋同盟の相手である英国に対する態度からも見て取れる。荒船清彦元スペイン大使が語るところでは、1964年から67年まで行われた「ケネディ・ラウンド」の日英交渉後に開かれた「お祝い会」に米国政府交渉官は姿を見せなかった。この時、若き荒船氏がその理由を英交渉官から聞いて驚愕した。「あんなヤツ呼ぶわけないじゃないか」という冷ややかな言葉に、米国の交渉術の「汚さ」を改めて知ることとなった。

荒船氏は、米国が大きな市場であるがゆえに高圧的態度を取りやすい一方で、相手国に対して嫌がらせと受け取られてしまうことも多いと指摘する。英国は「ジェントルマンの国」として知られるため、米国の交渉術に不満を抱くのも無理からぬことである。荒船氏自身が日本外務省幹部だった頃、「あそこの大使はやりたくない」と言われる米国人大使が存在したという。

共和党政権であれ、民主党政権であれ、米国の交渉スタイルは変わらぬものとして残っている。荒船氏によれば、トランプ大統領が出現した時点で「隠れていた米国人」が顔を見せ始めただけだ、という。任期残り2年のトランプ政権は、11月に控える中間選挙を前にして不測の事態も考えられるため、日本政府には冷静な対応が求められている。22日の日米首脳会談が順調で終わったとしても、トランプ流の予測不可能性を考慮に入れつつ、日本政府は腰を据えて対処する必要がある。

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