新たな農業シーズンを迎えた日本では、25年産米の過剰在庫問題が深刻さを増している。2023年に入り、消費者は安価で購入可能な新米26年産と出会う中、高値で仕入れた25年産米は割高感から敬遠されている状況が浮き彫りになっている。この影響で、民間在庫は過去最高水準を記録し、スーパーでは平均販売価格が5キロあたり2000円台まで下落している。
農業団体のJA全農とちぎ運営する「とちぎ米広域集出荷センター」(栃木県矢板市)でも、25年産米が大量に保管される事態となっている。新米の流通開始や26年産米の安価な流通も進行中で、この「令和の米騒動」は需要減少を招き、在庫増加に直結している。
同センターでは低温保管された25年産米が8189トン(5キロ入り換算で163万袋分)という過去最多の数値を記録。現在、保管能力に限界を迎えており、新米の受け入れ場所を確保するために地域JAや運送会社の倉庫などへの預託が進んでいる。担当者は「在庫管理に追われている」と述べており、この状況は全国的な課題としても浮き彫りとなっている。
農林水産省のデータによると、6月末時点での民間在庫量は243万トンと過去最高を更新。適正水準とされる180万~200万トンを大きく上回っており、来年6月末までには246万~283万トンに拡大する見込みだ。この状況は消費者の需要減少や他食品への転換を促進し、コメの需要が減退していることが要因である。
一方、26年産米については新潟や北海道など24道府県で作柄が「平均をやや上回る」と予想され、農水省の見通しでは需要量最大711万トンに対して、生産量最大754万トンと供給過多の状況にある。各地のJAでは集荷時に支払う概算金が前年比で大幅な下落を余儀なくされており、例えばJA全農いがた(新潟市)は26年産一般コシヒカリの概算金を1万8500円に引き下げ、前年比で4割減となっている。
店頭ではスーパー約1000店の調査結果から、5キロあたりの平均価格が2934円まで低下し、2週連続で3000円を割り込むなど安売り競争が激化している。中には新米26年産が既存の25年産よりも安価に販売されている事例もあり、これを「逆転現象」と呼んでいる。
農水省は昨年放出した備蓄米の一部を買い戻し、需給の引き締めに取り組む方針を示しているものの、価格動向は不透明であり、生産者や関係団体からは将来展望が見えないという声も上がっている。JA全農とちぎの鈴木真人・米麦総合課長は、「きちんと保管された25年産米もおいしい。国民一丸となり、積極的な消費を促してほしい」と呼びかけている。
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