日本全国から集まった才能ある高校生が、お菓子作りの技術と創造力を競う「第19回スイーツ甲子園」がついにそのクライマックスを迎えます。この全国大会決勝戦は27日、東京都世田谷区の日本菓子専門学校で行われる予定です。主催する産経新聞社と特別協賛を務める貝印のもと、全国64校120チームから選ばれた6チームがこの大舞台に立つことになりました。彼らは、日本を代表するパティシエである鎧塚俊彦氏や永井紀之氏から厳しい評価を受ける2時間半の調理試験に挑みます。
今年の大会テーマは「バースデーケーキ」で、優勝チームには一流の食材と食文化を学ぶタヒチ研修旅行が贈られることになっています。この大会では、洗練されたチームワークで工夫を凝らした味わいや繊細なピエスモンテ(菓子で組み上げた装飾)の制作が求められ、予選を勝ち抜いた6チームが決勝に進出しました。
一つ目の挑戦者は、パッションフルーツを中心にマンゴーやナッツを組み合わせたトロピカルなケーキで臨むチームです。彼らのピエスモンテでは「生命」をテーマに、鮮やかなオレンジやブルーのあめ細工フレームにゾウやトラなどの人形が配置されています。「自然や動物たちのつながり」を表現した楽しげで力強いデザインが魅力です。予選ではあめ細工の風船が割れるハプニングに見舞われましたが、堀江リーダーは「2人が『大丈夫だよ』と声をかけてくれたおかげで乗り越えられた」と振り返っています。
二つ目のチームはテーマ「女の子らしさ」に挑み、ラズベリーを使用したピンク色のホイップクリームでデコレーションされたレアチーズケーキが完成。手前にはあめ細工のバラやマジパンのイヌ、骨型のクッキーが添えられています。各要素はシンプルですが、全体を生かした印象的な見せ方で予選では審査員からも高い評価を得ました。「見どころは(クリームの)絞り。他チームとの見た目の差別化がプラスに働いて嬉しい」と平間リーダーは語っています。
続く挑戦者はイチゴを使用した王道のショートケーキです。彼らのピエスモンテでは、あめ細工のイチゴを載せたミニチュアのショートケーキとマジパンの人形が組み合わされ、「自分たちのケーキを友達にプレゼントした喜び」を表現しています。この斬新なデザインは審査員も「なかなかできない」と驚かせました。長谷川リーダーと江崎さんの2人は昨年も予選に出場しましたが、今回はようやく決勝進出を果たし、念願の優勝を目指します。
3度の優勝を誇る強豪校は、フランスの冷製スイーツ「シャルロット」に挑戦。予選ではビスキュイの焼き加減や手数が多いピエスモンテが高く評価されました。長﨑リーダーは「強みは仲の良さ」と話し、決勝でも洗練された連携を見せることで優位に立つかが注目されます。しかし、決勝ではピエスモンテをパーツから作成する必要があり、「3人が本気を出せば可能だが、ギリギリの戦いになる」と審査員は予想します。
地震という逆境を乗り越えて決勝への切符を手にしたチームもいます。彼らは予選直前に地震に見舞われ、最終盤で満足な練習ができませんでしたが、水風船用のポンプを使ってピエスモンテのあめを膨らませる工夫や、杏仁ムースにベリーのジュレ、バラのエッセンスが調和した味わいで審査員を驚かせました。チーム名「ボヌール」はフランス語で「幸せ」という意味であり、彼らは被災地・熊本に自分たちのケーキ作りで幸せを届けようとしています。
高校野球の強豪としても知られる神村学園が登場します。あめ細工でかたどった「Happy Birthday」の文字やリボン、ロウソクなど華やかなピエスモンテや全体を覆う赤いグラサージュは、バースデーケーキというテーマへの忠実度と仕上がりの完成度が際立っています。チョコレートと強い酸味を持つグリオットチェリーを組み合わせ、審査員からは「パティスリーでは王道でも高校生には少し特別感のある食材だと思うが、よくまとめていた」と評価されました。
これらの6チームがどのような華やかなショーケースを披露するのか、そして誰が一流の食材と食文化を学ぶタヒチ研修旅行を手に入れるのか。この日の結果が、彼らの将来のパティシエ人生にどんな影響を与えるのか、注目されています。
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